本稿では、家族のあり方について、より良い家族の形を築くための大切なポイントや、やってはいけないことなどを解説します。
家族の形は、人によってさまざまですが、ごく自然に存在している家族について、改めて考えてみませんか?
「family」(家族)に、何か大切なものが隠されているかもしれません。
「家族のあり方」をテーマに次のポイントでまとめました。
- 家族・家庭とは?
- 家族のキ・ノ・ウ
- 家族のや・く・わ・り
- 家族への思い
- より良い家族の形を築くには
家族の形やあり方について、考えるきっかけになれば幸いです。
本稿では、上記の「5」について紹介しています。
より良い家族の形を築くための大切なポイント
以前の記事「家族のや・く・わ・り」で示したとおり、家族・家庭という集団は、ゼロから作り上げるものであり、夫婦二人でデザインし、家族の形やあり方を構築するものです。
また、成熟した家族・家庭においても、その時々の社会変化に応じて、家族・家庭をリデザイン(再設計)し、改良することも必要です。
ここで、家族をデザインする際に、理解しなくてはいけない大切なポイントが2点あります。
- 「家族像の相違」
夫婦各々が考える「家族像」が、そもそも異なっています。
互いに、幼少期からの家庭環境で形成した家族観や価値観があり、結婚後に、その違いに気づくことが多いのが現状です。 - 「取り組む環境」
人によっては、家族とは以心伝心、いちいち言葉にしなくても気持ちは伝わるもの。という考えがあり、そもそもデザインは必要ないと言われる方もいるかもしれません。
以心伝心は、理想の家庭の状態ですが、現実はそんなに簡単なものではありません。
まずは、家族の形について真剣に考えるという環境の構築が必要です。
より良い家族の形を築くためには?
「ポジティブな言葉」と「ネガティブな言葉」の割合
今の現状よりも、より良い家族の形を築くためには、次のことを意識しましょう。
ポジティブな言葉とネガティブな言葉の比率が、ある一定値を超えると、人間関係が壊れやすいという研究があります。
関係 | ポジティブな言葉(割合) | ネガティブな言葉(割合) |
---|---|---|
親子 | 3 | 1 |
夫婦 | 5 | 1 |
上司・部下 | 4 | 1 |
友人 | 8 | 1 |
上記の比率によれば
例えば、親子の場合、3回褒めていれば1回くらい叱っても人間関係に問題は起こらないということです。
もし、2回しか褒めなかったら、悪い関係になってしまいます。
少し衝撃的な結果が見られます。
上司と部下の場合よりも夫婦の方が、ポジティブな言葉の割合を多くしなければならないという結果が出ています。
この理由は、会社組織の一員として指示・命令に基づいて働かなければならない部下の立場では、他の人間関係とは違った特殊な状況下に置かれているためだと考えられます。
なぜ、やらない?「やった方が良いたった3つのこと」
夫婦だろうと、親子だろうと、より良い家族の形を築くためには、今から紹介する3つのことを意識してみてください。
まず一つ目に、相手を受け入れ、相手に感謝し、相手を褒めることです。
相手の立場にたって、相手の視点で考え、相手の心境を理解しましょう。
相手がしてくれたことには、全力で感謝し、物事が成功したり成果が出た時には、全力で褒め称えましょう。
社会では、成果主義として結果が求められますが、家族では、結果だけではなく、むしろ過程(プロセス)に焦点をあて、努力した部分や、新たに経験できた部分などを褒め称えましょう。
そして、もし、助言や意見を伝えるときは、否定的な言葉は使わず、建設的な言葉を使いましょう。
【建設的な言葉】
- より →「〇〇したら、よりいいんじゃない?」
- もっと →「もっと〇〇したら、いいんじゃない?」
- さらに →「さらに、〇〇したら良くなるんじゃない?」
次に二つ目は、相手に過度な期待をしないことです。
自分がやったことに対する相手の反応がイマイチだったり、相手にやってほしいことをやってもらえない場合でも、相手に期待し、見返りを求めてはいけません。
期待や見返りは、感謝の押し付けであり、相手に負担がのしかかります。
期待しないと腹をくくれば、心の余裕ができ、楽になりますよ。
最後に、三つ目は、見守ることです。
あなたの良き行動が、相手に伝わるまでには、時間がかかるかもしれませんが、温かい心で見守ってください。
子どもの場合、思春期や反抗期の時期は、何を言っても、すぐには良い反応がないと考えて下さい。
ひたすら、見守るだけです。
家族の形が壊れてしまう「やってはいけないこと」
夫婦関係、親子関係など、すべての人間関係において、やってはいけない言動というものがあります。
これをやってしまったら、家族の形が壊れ、信頼関係が崩壊します。
今まで、築き上げたものが跡形もなく消えてしまいます。
次の4つの言動には、十分気をつけましょう。
絶対してはならない4つの言動
- 非難
- 自己憐憫
- 拒絶
- 侮辱
まず、1つ目の「非難」では、相手を注意するという程度であれば、子どものしつけにおいては必要となりますが、
非難は、相手の過失を指摘し、物事を正すというよりも、一方的に相手を責め立てることを言います。
夫婦でも、子どもでも、相手の意見を一切聞かず、強制的、一方的に責めてはいけません。
2つ目の「自己憐憫」です。
難しい言葉ですが、「じこれんびん」と読み、憐憫とは、かわいそうに思う、不憫に思うという意味です。
被害者意識が高い人は、周りの発言が、すべて自分自身のことを注意されたと勘違いし、周りに、被害者の苦しみを認識してほしいと強く思い、自己防衛に走ってしまいます。
日頃から、物事を俯瞰的に考えることができれば、相手への思いやりが生まれ、人間関係が、建設的に改善されます。
3つ目の「拒絶」では、相手のことを拒否し、相手が存在していないかのように無視することを言います。
このように、聞く耳を持たない人や、相手を尊重しない人では、より良い人間関係が築くことができません。
最後に、「侮辱」です。
相手の存在を軽く見ていると、相手を馬鹿にしたり、見下して、プライドを傷つけたりしてしまいます。
最近、インターネット上の誹謗中傷を取り締まるため、「侮辱罪」が厳罰化され、侮辱に対する社会の考え方が大きく変化しています。
もちろん、夫婦関係、親子関係でも、侮辱行為をしてはいけません。
以上の4つについて、再度、自己点検し、心当たりがあるという人は、早急に直すよう心がけてください。
最後に
今回は、家族のあり方について、4記事にわたり紹介しました。
ご覧になった皆さま、ありがとうございました。
皆さまが、より良い家族の形を築き、少しでも善い人生を歩めれば、筆者としても幸いです。